事業案内
BUSINESS
国内の植林事業
コシイの山林経営は木製電柱時代に原点があります。電柱の原料調達のため山と深い関係があったコシイはやがて山林を所有するようになります。九州や三重、和歌山に社有林が多いのはそのご縁からです。
杉や桧が成長して伐採できるまで60年~70年かかります。3世代、4世代にわたる継続的な事業です。木材を使って商売をしている我々は山へ恩返しをする責務があります。恩返しとは、山を育て、持続的な山林経営を行って、次世代へ繋いでいく使命でもあります。
しかしながら近年の木材価格の低迷は丸太原木の価値にも影響を及ぼし、山林経営が成り立たなくなっています。
山の資源を利用するには伐採した木を搬出する林道や路網の整備が必要です。所有者が複数隣接している場合は林道・路網の設置も時間がかかります。間伐事業のうち、切り捨て間伐は国の補助金を活用してなんとか実施できますが、利用間伐は収支があわず木を搬出すると赤字になる場合があります。
あと10年~20年後に主伐期を迎えると言われている日本の山々ですが、皆伐後の再造林の費用は大きな課題となります。山は放置されると水の涵養機能が低下し、大雨や台風が到来すると土砂災害を引き起こす一因にもなります。
2021年のウッドショックによって状況が一変しました。
製材品の価格が高騰し、原木丸太の価格も引きずられるように上昇しました。丸太の価値が上がることで皆伐後の再造林の費用が捻出できる見込みが立ってきました。丸太の価格が上がることは山林の持続的経営に必要です。一方、消費者の立場では安定的に安い製品のほうが好まれます。この背反する命題にコシイは一つの解決方法を模索しています。
コシイは理念と目標を共有してくれる森林組合のご紹介で社有林も増やしています。近年ではご縁があって三重県尾鷲に新たに山林を所有しました。
今後さらに森林組合や製材所のパートナーのつながりを強化していきたいと考えています。持続的な森林経営、次世代へ宝物を残すこと、それがコシイのゴールです。
※国内の社有林は約800ヘクタール、蓄材積約12万立方メートル
※主な社有林は三重県尾鷲市、三重県熊野市、大分県日田郡、福岡県、和歌山県、兵庫県など
海外の植林事業
戦後、日本は復興のために東南アジアの樹木をたくさん伐採して利用してきました。日本の高度成長はこれらの森林資源のおかげでもあります。東南アジアの樹木は天然林が多く、一度伐採すると成長して再び伐採できるまでに100年以上かかります。
コシイの先代はお世話になった東南アジアへのご恩返しのために植林を思い立ちました。植林事業を開始するため研究調査に取り組んでいたところ、山本宏先生(当時、北海道林産試験場場長)から一報が入り、マレーシア国サバ州でアカシア・ハイブリッドに出会いました。
ハイブリッドはアカシア・マンギュームとアカシア・アウリキュリフォルミスが自然交雑によって偶然できた新種です。比重が大きく強度があり形状は通直で芯腐れがなく、10年~20年で収穫が可能です。建材や家具用材として理想的な木です。
サバ州森林開発公社(SAFODA)と共同にて2000年に試験植林を開始しました。JICAの支援、日本の各研究所や大学の指導をうけながら植林・育林のノウハウを確立していきました。
2004年にはサバ州政府との合弁事業として植林事業会社(コシイ・ハイブリッド・プランテーション社、略してKHP社、社長松本義勝)を立ち上げ、州政府から100年間の土地契約を結び事業植林を開始しました。
2006年にはKHPの出資会社としてサバ造林(株)を立ち上げ、朝日ウッドテック(株)の資本参加を受け、また東南アジアにおける植林事業の理念を共有いただいたお客様や個人にも優先株主としてご参加いただきました。
途中、森林火災など困難に直面したこともありましたが、2021年からいよいよ伐採する時期にきました。440ヘクタール、約5万立方メートルのアカシア・ハイブリッドを使って強度が求められるトラックのボディー材などに活用するべく準備を進めています。利用して植えて、育て、また利用して植える、森林の持続する循環を目指します。
【植林事業】関する製品・サービス
■国産材プラットフォーム
『KISM(キズム)』
■インテリアアカシア
■アカシア床板
※上記は主な製品・サービスになります。
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