12,つくる責任つかう責任
石油由来製品の
リデュース
木材資源を無駄なく使うために接着剤を利用して合板や集成材にしたり、木材製品の耐久性をあげるために防腐薬剤を注入したり、
表面に保護塗料を塗ったりします。これら接着剤、薬剤、塗料には性能が良く、コストパフォーマンスが良いことから石油由来の成分が使われています。
コシイは長期的には脱石油由来の接着剤・薬剤・塗料の技術開発を目指すとともに、今できることとして使用量を減らすリデュースに取り組んでいます。
洗浄液のリデュース
コシイの主要製品の一つであるマクセラム
は高い耐久性と木材表面のささくれがおきにくい特性から幼稚園・保育園などの福祉施設、多くの人が集まる公共施設や商業施設に多く使われています。
その製造過程において機械設備に付着した接着剤を水を使って洗い流す工程があります。
洗浄液を1度で廃棄せずに何度も再利用して最終的に処分する廃液の量の削減に取り組んできた結果、
2020年度は前年比で63%のリデュースとなり6.2トンの廃液の削減、二酸化炭素に換算すると16トンの削減になりました。
含浸液使用量の
リデュース
マクセラムには専用の樹脂を木材細胞中に含浸させる工程があります。この含浸液は温度によって活性が変化し、温度が低いほど良くなります。
従来、冬場と夏場を比較すると夏場の方が消費量が多くなる傾向がありました。
2020年度は現場のメンバーのアイデアに基づき工程内に冷却する装置を組み入れたり、
作業工程を見直しすることで、消費する含浸液の量を4.2トン削減しました。これを冷却に要する電気量を差し引いたカーボンフットプリントに換算すると4.0トンの二酸化炭素排出量削減に成功しました。
接着剤使用量の
リデュース
接着剤を使用した製品は出荷前検査として接着性能試験を実施します。マクセラムの場合、試験に使用するサンプルは同じタイミングで接着した製品グループから抜き取ります。
従来は製品1枚を抜き取り検査をやっていましたが、2020年度は後工程のカット工程で発生する端材を試験片に使うことで無駄になる材積を減らし、結果的に接着剤の消費量を1.3トン削減しました。
二酸化炭素に換算すると1.3トンになります。アカシアのトラック床板の場合、
加工する時に発生する端材の量を極限まで減らすこと、製品の不良率を改善することによって、木材に付着した接着剤を捨てる量も同時に減らすことができます。全社としては接着剤を合計6トン、二酸化炭素換算で7トン削減しました。
接着剤の削減は2021年度も積極的に取り組んでいます。必要な量だけが木材に付着するしくみ、固まった接着剤を取り除く洗浄液をリユースするために、軽石を砕いたザルで濾す工夫など、洗浄液の削減やこまめな洗浄により2021年度は1トンの削減、二酸化炭素換算で7トンの削減を実施しました。現場から出てくるアイデアを一つ一つ実践しています。
段ボール・梱包バンドの
リデュース
コシイの一部商品については運送途上でキズのつかないように段ボールで丁寧に梱包します。サーモウッドを使った建物外装材、軒天材などです。
従来は商品のサイズに合わせて特注サイズの段ボールを調達していましたが、2020年度は既製サイズの段ボールを組み合わせることで使用量を前年度比で29%減らすことができました。
また木材をまとめる梱包用のPPバンドを繰り返し使うことで再資源化、ゴミを減らす動きが高まっています。
13,気候変動に具体的な対策を
森林認証制度への
参画
地球温暖化防止のために森林が持っている二酸化炭素の吸収機能が注目されています。
パリ協定における我が国の目標は2030年度に温室効果ガスを26%削減(2013年度比)、そのうち森林吸収量は2%(2,780万トンCO2)を見込んでいます。
このゴールを達成するためには伐ったら必ず再植林して森林の持続的な更新を実行している森林資源を選択的に使うことが前提です。
コシイは持続可能な林業経営とトレーサビリティの可能な流通管理に対して発行される森林認証制度へ参画しています。2020年度は新たにクリーンウッド法に登録しました。
公共工事の入札条件によってはクリーンウッド法登録が前提条件となっており、持続可能な森林資源を使用した納入実績を作りました。
リデュース、
リユースによる
CO2排出量削減実績
製品をお客様のところに届けるためにトラックを使用します。コシイは可能な限り積み合わせや路線の組み合わせによって走行距離の合理化に取り組んでいます。
2020年度は延べ56,700キロメートルの削減ができました。トラックの燃費を考慮して二酸化炭素に換算すると35トン削減したことになります。
廃プラスチックのリユースや接着剤のリデュースの効果も合算すると、前の年に比べて2020年度は300トンの二酸化炭素排出を抑制しました。
2021年度は荷物の合積みによる走行距離の削減に勤めました。走行距離延べ97万kmのうち、55%に社外・社内の合積みを実施しました。効率のよい配車をすることで二酸化炭素削減に努めていきます。
コシイの取り組み
その全てが
集約される
それが私たちの
目指す
「地産外消」
人口の多い都心部での木材利用の促進。また付加価値の高い用途を開発することで、
価値の余剰分を山へ還元して、再植林につなげます。
そして持続可能な循環型の森林資源を次世代へつなげること、それがコシイが目指す「地産外消」です。
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