9,産業と技術革新の基盤をつくろう
技術開発
木質材料の利用を促進することで循環型社会を構築することがコシイの使命です。
新しい用途で木質材料を使ってもらうために、そして従来使ってもらっている用途でも、より永く、より安心して使ってもらうための技術革新が必要です。
2020年度は25の主要テーマに取り組み、11のテーマを完結しました。主要なテーマは以下の通りです。
都心部で木材を使うとき防火性能が要求される場合があります。特に建物の外装を木材で被覆する場合、太陽光や雨水の影響による経年劣化の課題があります。
コシイは大学・研究機関と共同で経年変化を実測し屋外用途でも使用できる防火木材の研究に取り組んでいます。
2020年度は一定の評価が得られ規格化の作業が進行中です。
マクセラムやサーモウッドは屋外のウッドデッキとして永くお使いいただいている人気商品です。
より永く、より安心してお使いいただくために日々、改良に取り組んでいます。2020年度はデッキ材表面の劣化の課題について検証と改良を実施しました。
国産材の利用推進は持続可能な森林経営を可能にします。前年度は東京都の多摩産材の利用促進のために屋外用の『木製フェンス』の商品化を実施しましたが、
2020年度は屋外用の家具の開発に取り組んでいます。
社会情勢の変化によって自宅で過ごす時間、屋外で活動する時間が永くなりそうです。その需要に応えるために耐久性がありデザインも優れた屋外ファニチャーの完成が間近です。
国産材の課題の一つに広葉樹の活用があります。人びとの生活様式が変わり、広葉樹の利用範囲が狭くなってきています。
コシイでは各県と共同で広葉樹の物性を検証し、商品開発に取り組んでいます。
2020年度は和歌山県のコジイについて試験を行いました。また島根県の広葉樹の検証を実施しました。
土台や外構材に使われる従来の防腐処理に代わる新しい技術の開発も進めています。またDIY需要の高まりをうけて防腐処理木材を使った製品規格づくり
(DIY分野)にも取り組んでいます。
従来のコンクリートの基礎に代わる、『木製の浮き基礎工法』を開発中です。
ニュージーランドではすでに広く使用されている新技術です。地盤のゆるい土地でも設置が可能であり、建物解体時のリユースが簡単です。
地震のときに発生する不等沈下に対して高さ補正ができる機能があります。日本の法規や環境に合致した仕様にすべく取り組んでいます。大阪・関西万博に提案中です。
2021年は木製浮き基礎工法を大阪・関西万博予定地の夢洲にて実大試験を行いました。施工性や不等沈下対応(ジャッキアップシステム)などを検証し2回の内覧会では多くの人に現物を見ていただきました。
試験終了後、別の場所に移築して、使用部材はほぼすべてリユースできる基礎であることの実証を行いました。新潟県の商業施設の改修で木製浮き基礎工法が採用され実績第1号となりました。
2022年度は技術審査証明の取得をするとともに、大阪・関西万博の各パビリオンへの採用活動や、従来より提案しているコンビニエンスストアなどへの採用に向けて活動していきます。
内装制限のある空間に木材を貼る場合、不燃木材や準不燃木材の使用が必要な場合があります。
火災が発生したときに木材中に染み込ませた不燃薬剤が木材表面に炭化層をつくり燃え広がりを防ぐ働きをします。
この薬剤が室内の湿度が高いときに材の表面に析出する潮解白華という現象があります。
2020年度はこの潮解白華減少を抑制する準不燃木材『スーパーDパネル』を商品化しました。
コシイはこの課題解決に引き続き取り組んでいきます。
VAN車といわれる事業用トラックのドア にもコシイの技術が使われています。2020年度は新しい仕様のドアの性能検証を実施し製造をスタートしました。
コシイは引き続き
木材加工技術「ウッドエンジニアリング」の開発を通して
人々の暮らしを豊かにし、
環境保全へ貢献していきます。
■越井木材が目指す地産外消について : 地産外消
コシイの取り組み
その全てが
集約される
それが私たちの
目指す
「地産外消」
人口の多い都心部での木材利用の促進。また付加価値の高い用途を開発することで、
価値の余剰分を山へ還元して、再植林につなげます。
そして持続可能な循環型の森林資源を次世代へつなげること、それがコシイが目指す「地産外消」です。
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